
HbA1cが同じくらいでも、1日の血糖値の動きは同じとは限りません。

平均が同じでも、上がり方や下がり方が違うことがあるんですか?

そうなんです。食後にゆるやかに上がる方もいれば、短時間で大きく上がる方もいます。今回は、そんな「血糖値の変動」について見ていきますね。
前回は、HbA1cがここ最近の平均的な血糖状態を見るための指標だというお話をしました。
HbA1cはとても大切な数字ですが、平均値だけでは見えにくいものがあります。
それが、1日の中で血糖値がどのように上がり、どのように下がっているのかという「変動」です。
血糖値は1日の中で動いています
血糖値は、ずっと一定ではありません。
食事をすると上がり、その後、インスリンの働きなどによって少しずつ下がっていきます。
また、運動や睡眠、ストレス、体調などでも血糖値の動きは変わります。
食後に血糖値が上がること自体は、体の自然な反応なんですね。
「血糖値スパイク」とは?
一般的に「血糖値スパイク」と呼ばれているのは、食後などに血糖値が短時間で大きく上がるような動きのことです。
グラフにすると、釘やとがった山のように見えることから、「スパイク」と表現されています。
ただし、「血糖値スパイク」は正式な病名や診断名ではありません。
血糖値の急な上昇をイメージしやすくするために、一般向けによく使われている言葉です。
大切なのは、血糖値を「上げない」ことではなく、どのように上がって、どのように下がっているのかを見ることです。
同じHbA1cでも、血糖値の動きは違うことがあります
たとえば、2人の方のHbA1cが同じだったとします。
ひとりは、食後にゆるやかに上がり、その後ゆるやかに下がっている。
もうひとりは、食後に大きく上がり、その後大きく下がっている。
この場合、平均すると同じくらいでも、1日の血糖値の動きはかなり違います。
だからこそ、HbA1cだけでは見えにくい部分を、日々の血糖値や連続したグルコースの変化から見ることにも意味があります。
血糖値の上がり方は、一人ひとり違います
同じものを食べても、血糖値の上がり方が同じになるとは限りません。
食事の内容や量だけではなく、食べる順番、食物繊維の量、食事の時間、運動、睡眠、その日の体調など、いろいろな要因が関わっています。
実際に血糖値の変化を見ていると、「同じ食事でも今日は違う」ということもあります。
血糖値は、食べ物だけで決まる数字ではないんですね。
食後の血糖値を考える時に大切にしたいこと
「血糖値が上がったから、この食べ物は食べてはいけない」と、ひとつの結果だけで決めてしまう必要はありません。
どのくらい上がったのか、その後どう下がったのか、食事の内容や活動量はどうだったのか。
いくつかの情報を一緒に見ながら考えていくことで、自分の体の傾向が少しずつ見えてきます。
数字に一喜一憂するのではなく、「この時は、どんな条件だったのかな?」と振り返る材料にしていけるとよいと思っています。
まとめ
- 血糖値は、1日の中で常に変動している
- 「血糖値スパイク」は、食後などの急な血糖上昇を表す一般的な言葉
- 「血糖値スパイク」は正式な病名・診断名ではない
- 同じHbA1cでも、1日の血糖変動は違うことがある
- 血糖値は食事だけでなく、運動・睡眠・体調などさまざまな要因で変化する
次の記事では、この血糖値の「流れ」を連続して見ることができるCGM・FGMについてお話ししていきます。


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