
血糖値は、ひとつの数字だけを見るのではなく、「瞬間値・平均値・変動値」の3つに分けて考えると、見え方が変わってきます。

同じ血糖値でも、見方がいくつかあるんですね。

そうなんです。健康診断の血糖値、HbA1c、CGMなどは、それぞれ見ているものが少しずつ違います。
これまでの記事では、血糖値がどのように上がり、インスリンの働きによってブドウ糖が肝臓や筋肉などへ取り込まれていくのかをお話ししてきました。
ここからは、実際に血糖値を「どう見るか」というお話です。
私は、血糖値を見る時に「瞬間値・平均値・変動値」の3つに分けて考えると、整理しやすいと思っています。
① 瞬間値|その時点の血糖値
健康診断や採血で測る血糖値は、基本的にはその時点の血糖値です。
たとえば、空腹時血糖値や随時血糖値などがこれにあたります。
指先から少量の血液を採って測る自己血糖測定(SMBG)も、その瞬間の値を確認する方法です。
イメージとしては、1日の血糖値の動きの中から「点」をひとつ見るような感じですね。
その時の値を知ることはとても大切ですが、1回の測定だけでは、食後や夜間にどんな動きをしていたのかまでは分かりません。
② 平均値|ある期間の血糖状態を見る
平均的な血糖状態を見る代表的な指標がHbA1c(ヘモグロビンA1c)です。
HbA1cは、直前の食事だけでは大きく変わりにくく、過去1〜2か月程度の血糖状態を知る手がかりになります。
「最近の血糖値は、全体としてどのくらいだったのかな?」を見るイメージですね。
ただし、平均値だけでは、食後に大きく上がっていたのか、低血糖があったのかといった細かな動きまでは分からないことがあります。
③ 変動値|血糖値の「流れ」を見る
血糖値が時間とともにどのように動いているのかを見るのが、変動値です。
CGMやFGMと呼ばれる機器を使うと、日中だけでなく、食事後や運動中、睡眠中などのグルコースの変化も連続して確認できます。
瞬間値が「点」だとすると、変動値は点と点をつないだ「線」を見るイメージです。
「何を食べた後に上がったのか」「運動をした後にどう変化したのか」など、生活とのつながりも見えやすくなります。
瞬間値=点
平均値=全体の平均
変動値=時間の流れ
同じHbA1cでも、血糖値の動きは違うことがあります
たとえば、HbA1cが同じくらいでも、血糖値が比較的なだらかに動いている方もいれば、食後に大きく上がって、そのあと大きく下がっている方もいます。
平均だけを見ると同じように見えても、1日の中の動きには違いがあることもあるんですね。
だからこそ、どの測定方法が「一番正しいか」ではなく、その検査や測定から何が分かるのかを知っておくことが大切だと思っています。
まとめ
- 瞬間値は、その時点の血糖値を見るもの
- 平均値は、HbA1cなどで一定期間の血糖状態を見るもの
- 変動値は、時間とともに変化する血糖の流れを見るもの
- 3つを組み合わせることで、血糖値の状態をより立体的に考えやすくなる
次の記事では、この中の「平均値」=HbA1cについて、もう少し詳しくお話ししていきます。


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