
HbA1cが同じでも、1日の中で血糖値が大きく上下している人と、比較的安定している人がいます。

平均が同じでも、中身は違うことがあるんですね。

そうなんです。そこで、血糖値が目標範囲に入っていた時間をみる「TIR」という指標があります。
血糖値を見る時、HbA1cはとても大切な指標です。
でも、HbA1cだけでは分かりにくいこともあります。
たとえば、同じHbA1cでも、1日の中で血糖値が大きく上下している場合と、比較的安定している場合があります。
そんな時に役立つ見方のひとつが、TIR(Time in Range)です。
TIRとは?
TIRは、血糖値が目標範囲の中に入っていた時間の割合を表す指標です。
CGMなどで1日の血糖値の流れをみた時に、「どのくらいの時間、目標範囲の中で過ごせていたか」を確認できます。
よく使われる目安として、成人では70〜180mg/dLの範囲が用いられることがありますが、目標は年齢や治療内容、低血糖のリスクなどによって個別に設定されます。
TIR=「血糖値が目標範囲に入っていた時間」をみる指標
HbA1cだけでは分からないことがあります
HbA1cは、ここ最近の血糖状態の平均を見るために役立ちます。
一方で、平均が同じでも、その中に大きな高血糖や低血糖が含まれていることがあります。
TIRを見ると、平均値とは違う角度から、日々の血糖状態を確認できます。
「目標範囲に入っていた時間」が見える
たとえば、1日の多くの時間が目標範囲に入っている場合もあれば、食後に高い時間が長く続いている場合もあります。
また、夜間に低い時間が続いていることが見つかる場合もあります。
こうした違いは、1回の血糖値やHbA1cだけでは見えにくいことがあります。
TIRだけを見るわけではありません
TIRと一緒に、目標範囲より高かった時間や、低かった時間も確認します。
高い時間をTAR(Time Above Range)、低い時間をTBR(Time Below Range)と呼びます。
つまり、TIRだけを増やせばよいというより、高血糖や低血糖の時間も含めて全体を見ることが大切なんですね。
1日だけで判断しないことも大切です
血糖値は、食事、運動、睡眠、ストレス、体調などでも変わります。
そのため、1日だけのTIRで「良かった」「悪かった」と判断するより、数日〜数週間の流れの中で傾向を見ることが大切です。
「この日は食後が高かった」「この日は夜間が低かった」など、生活と一緒に振り返ることで、より意味のある情報になります。
TIRは、CGMだから見える指標です
TIRは、血糖値の流れを連続的に見ることができるCGMだからこそ分かる指標です。
指先で測るSMBGは、その時点の「点」を見る方法。
HbA1cは、ここ最近の「平均」を見る方法。
そしてTIRは、「目標範囲に入っていた時間」を見る方法です。
それぞれ役割が違うからこそ、組み合わせて見ることで、血糖値の状態を立体的に考えやすくなります。
数字を評価するためではなく、振り返るために
TIRの数字が低かった時も、「できていない」と考える必要はありません。
大切なのは、その数字をきっかけに、どの時間帯に高かったのか、低かったのか、どんな生活だったのかを振り返ることです。
数値は、良し悪しをつけるものではなく、体の状態を知るためのひとつの手がかりとして使っていけるとよいと思います。
まとめ
- TIRは、血糖値が目標範囲に入っていた時間の割合を表す指標
- HbA1cだけでは分かりにくい血糖変動を確認する手がかりになる
- 高い時間はTAR、低い時間はTBRとして一緒に見る
- 1日だけではなく、数日〜数週間の流れで見ることが大切
- 目標範囲は一人ひとりの状態に合わせて設定される

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